不幸自慢をする人
不幸自慢は魅力度を下げる!?
「恋人に裏切られて、友達にお金をだまし取られた」などと不幸自慢をする人に、魅力を感じる人は基本的にいないでしょう。
私たちは無意識のうちに、不幸な人にはそれ相応の理由があると考えてしまいます。なぜなら人間心理には、「この世界は公正であるべきだ」という信念、つまり「悪いことをしたら悪い結果になり、良いことをしたら良い結果になる」という意識のことを言います。
何の落ち度もない人が不幸な目にあっているのを目の当たりにすると、この信念が揺らぐことがあります。「自分もいつか不幸な目にあうのではないか」という不安を持つことにつながります。そのため「本人にも何か落ち度があったに違いない」と思い込み、気持ちを落ち着かせようとするのです。
不幸自慢をしてしまう人は、依存的な気持ちが隠れていることが多いものです。一時的に同情や注目を集めることは可能ですが、それから高い評価にはつながりません。それより不幸と引き換えに何かを得た人など、不幸に正当性があるほうがその人を魅力的に思うことがわかっています。
正当性のある不幸は魅力的!?
とある実験で、被験者に対して電気ショックを受けて苦しんでいる人のビデオを視聴させて、その人の魅力度を判断してもらった。その際に、被験者に対して次のような説明をしました。
A:説明なし
B:実際には電気ショックはなく、これは演技
C:電気ショックを受ける代わりに、30ドルの報酬をもらっている。
この実験の結果、Aの場合は一般的な平均値よりも「魅力的でない」と判断されBやCの場合は平均よりも「魅力的である」と判断された。「演技」という納得できる理由や、「お金のため」といった積極的な姿勢が、高い評価につながったと考えられる。
・理由もなく電気ショックを受けている ⇒ 魅力度低い
・電気ショックを受けているのはただの演技 ⇒ 魅力度高い
・電気ショックを受けているのはお金のため ⇒ 魅力度高い
不幸をただ受けているだけでは、低評価につながる。不幸には何らかの理由をつけたり、プラスの結果をセットにするほうが評価は高まる。
不幸自慢だけでなく、幸せ自慢にも共通する!?
これは不幸自慢だけでなく、幸せ自慢にも共通します。「恋人との幸せエピソードや仕事などでの成功自慢」を一方的に聞かされても、聞いている側としては良い気分になれません。幸せ自慢をするときもマイナス要素を加え、不幸自慢にはプラス要素を加えることをおすすめします。