心の中心となる「自己」!?
すべての人の深層に普遍的に潜んでいる元型の中でも、最も心の奥深くに「自己」という元型があると考えられた。
自分の中の異性イメージや異性的な部分、あるおは理想の異性のイメージをアニマ(男性の中の女性像、女性的な部分)、アニムス(女性の中の男性像、男性的な部分)と呼び、全ての人の心にあるとしている。
これは小説や映画の中の主人公や登場人物としても表現されるし、実は私たちの恋愛というのは、異性に自分の中にあるアニマ・アニムスを重ね合わせてそれに、引き寄せられているものとも言える。
近年では、男性も女性も心の中にアニマとアニムスの両方を持っている考えが一般的である。
ユングは、心の奥深くに「完全なるもの」「最高なるもの」のイメージパターンとして、「自己(セルフ)」という元型があると考えた。
この自己の原型は、心の中に何かを抑え込んだり、本当の自分らしくない人生を生きている場合や、自分の人生が意味のないものに感じている時に、そこに意味を与えたり、よりその人らしい人生を選択していくための決断や、選択の場面に働いたりする力でもある。
ユングは、このセルフこそが心の中心にあるもので、単に意識で考え選択することがらは、その人の心全体が望んだり求めたりしていることとは、大きくくずれる場合があるとしている。
つまり、このセルフが十分に働くことによって、はじめて私たちは一人の人間としてより納得のいく、より自分らしい生き方ができるようになる。
心の奥深くに存在するイメージ!?
・アニマとアニムス
男性の中にある女性像をアニマ、女性の中にある男性像をアニムスと呼ぶ。
・自己
「自己」は、意識の中心にある自我が心の中で統合され、より自分らしい自分を目指す働きをする。