話し合いはときには危険
話し合いや会議のなかで、ひとつのテーマを掲げて話し合うとき、個人でアイデアを考える場合と、集団で出し合う場合では、結果はどのように違うのか?
集団で考えたほうが多くのアイデアが出て、よりよい結果になるように思えるものです。しかし、実は個人で考えたほうが、質的にも量的にも優れたアイデアが出ることが分かっています。集団で考えると、「誰かの意見に賛同しておけばいい」と考えてしまうが、その一因です。
さらに、集団で考えると意見が極端になりやすいことも分かっています。その方向性としては、まず危険な方向へ意見が偏る「リスキーシフト」があります。周囲の意見に負けたくない気持ちや、周囲と同じ意見であることに意見をもつことにより、意見がエスカレートしてしまい、ハイリスクになえうパターンです。
これに対して、安全性の高い方向に意見が偏ることを「コーシャスシフト」と言います。リスクを回避したいという思考に流されてしまい、無難な方向にまとまってしまうパターンです。
もちろん、集団での議論により、理想的な結論に達することもあるので一概には言えませんが、議論が滞っているときは、やりかたを工夫してみるのも手です。
「リスキーシフト」と「コ―シャスシフト」
● リスキーシフト
議論が白熱するうちに、より危険な方向へと意見が偏る。責任の所在もあいまいになり、危険な議論が進んでしまうことがある。
● コーシャスシフト
話し合った結果、保守的な方向に意見が偏る。危険回避のために「何もしないこと」「現状維持」を優先してしまう。
多く話したほうがいい
とある実験によると、話し合いで最も支持された意見は、「最も多く話した人の意見」であると分かった。たくさん発言をしたり、声が大きかったりすると、強力な意見だと感じてしまうため、安易に流されてしまうのは危険です。